木の心地よさを感じる真壁造りの家
篠塚史一
有限会社グリーホーム / サイエンスホーム旭店
2005年に創業したグリーホーム。全国120社以上の加盟店をもつサイエンスホームに加入し、日本の伝統的な工法「真壁造り」の家をつくっている。モデルハウスではこだわりの木の家を見学できるほか、実際の暮らしを体感できる無料宿泊体験も受付中。
住んでいて心地いい木の家
「森や林や神社のような、ひんやりした雰囲気と、シーンとした荘厳な感じが落ち着くんです」そう語るのは、グリーホーム創業者の篠塚史一社長。
グリーホームで採用しているのは、他ではなかなか見られない「真壁造り」の家だ。柱や梁などの構造材が室内から見えるよう露出しており、木肌のぬくもりを存分に感じることができる。無垢のヒノキにこだわり、まるで森林浴をしているかのような癒しをもたらす空間だ。
「木には心を落ち着かせてくれる何かがあるんでしょうね。そういうところを気に入ってくれるお客様には、当社を選んでいただけると思っています」
高校時代から決めていたこと
篠塚社長は不動産会社やハウスメーカーで働いたのち、2005年にグリーホームを創業した。「出身は銚子市です。高校の頃から建築に興味があって“建築士になる、自分で建物を建てる、いつかは独立する”と決めていました。自分の足跡が地図に残る、そんな仕事がしたかったんです」
不動産会社では土地の売買に携わり、土地と建物の両面から建築について学んだ。「土地に関して言うと、100点満点の土地はないと考えたほうがいい。学校の勉強と同じで、赤点ギリギリ30点だとまずいけど、60~70点だと買った方がいいというのが不動産会社の考えです。そして私は、その土地を建物で100点、もしくはそれ以上にするという考えでやっています」
グリーホームは当初、一般的な工務店だったが、6年ほど前にフランチャイズのサイエンスホームへ加入した。
「工務店独自できれいなカタログなどをつくるのは、とても大変なんです。そこで何か良いフランチャイズはないかと探し始めました。サイエンスホームを選んだのは、木の心地よさを感じられる家が好きだったから。浜松まで現物を見に行って、金額や品質、工法、雰囲気と総合的に判断して加盟を決めました。カタログやお話を通してこの魅力をしっかり伝えることでお客様にも安心していただけるし、私たちとしてもお客様のプランづくりにじっくりと時間が割けます」
お客様の8割が注文住宅を選ぶ理由
サイエンスホームの家づくりは、間取りや仕様を選んでいく規格住宅だ。ホームページには工法や断熱についてもしっかり掲載されており、間取りも40種類から選べる。しかし実際には規格住宅よりも、オリジナルの注文住宅を選ぶお客様のほうが多いという。
「うちで建てる家の8割は、実は注文住宅なんです。注文住宅も同じ雰囲気で、ひのきを主体とした真壁造りになります。規格住宅だと金額重視になりますが、注文住宅だと細かいところまでいろいろ調整して建てることができます」
注文住宅のいいところは、その人の暮らし方にぴったりの家がつくれること。グリーホームでは“家づくりはお客様といっしょにつくりあげていくもの”という信条のもと、ライフプランに寄り添って間取りを考えるお手伝いをしているという。
「将来が不安だという方には、自分の実体験をお伝えすることもあります。例えば私自身の経験でいうと、わたしの子供が子供部屋を使ったのは中学生の間だけ。小学生まではリビングで過ごしていて、高校では寮に入ったので、本当に3年間しか使っていないんです。家は30年、40年と使うのに、子供部屋はそこまで必要ですか?…と。もちろんお客様の人生ですから、実体験を伝えながらいっしょに考えましょうというスタンスです。例えばお客様が100人いたら、環境も考え方も全員違います。お話を進めていけば100通りのプランができるはず。だから8割の方が注文住宅を選ぶのも自然なことなのかもしれません。一生懸命にやっているから、お知り合いからのご紹介もあったりして、そんなときのうれしさはまた格別です」
最初の出会いから竣工まで、早くて半年、平均で1年くらいと、じっくり進めるのがグリーホーム流。土地探しからサポートしており、地元の不動産会社を紹介したり、自分たちで見つけた土地を紹介したりすることもあるという。
「設計図面、見積などの紙資料でもご提案しますし、建築模型もつくります。屋根が開くので、生活がリアルに想像しやすいですよね。模型のなかに階段や人を配置するなど、工夫もしているんです。ここまでは無料でやっていますよ」
社内に建築士が在籍しており、1から10まですべて社内で行うのもこだわりだ。細かい修正も、スピード感を持って対応できる。「たとえ契約したあとでも、細かい変更であれば柔軟に対応しています。これはどうしてもしょうがないこと。できる限りのことは対応してあげたいと思っています。だって、ちょっとしたことで“ああしとけばよかった”と、一生後悔してもらいたくないですからね」
木の家での生活を体感できる「宿泊体験」
サイエンスホーム八日市場展示場のモデルハウスでは、「宿泊体験」を実施。ただ家を見るだけでなく、実際に一晩寝泊まりして木の家での暮らしを実感できる。
「サイエンスホームの売りは大きく2つ。1つ目は木をたっぷり使っていること。2つ目は、こう見えて断熱性能がとても高いことです。1階は大きな吹き抜けのLDKになっていますが、夏は小さいエアコン1台、冬でも小さいFF式ファンヒーターとシーリングファンだけで大丈夫。吹き抜けの家は電気代がかかるとか、暖まるまで時間がかかるとかっていうのは、昔の話。建物全体を魔法瓶みたいにくるんでいるので、暖まった部屋も冷めにくいんです。宿泊体験では、この断熱性能の良さを、実際に一晩寝てみて体感できるというのが大きなポイントだと思います」
モデルハウスは生活を実感できる、リアルなサイズ感だ。これまで70組ほどのお客様が宿泊され、木の家での暮らしを体感されているという。「モデルハウスは国道に近いのですが、建物の遮音性が高いので車の騒音はシャットアウトされます。自宅の浴室がタイルの方は、足が全然冷たくないユニットバスにも感動されますね。ひとつひとつ、今の家との違いをお客様ご自身で体感していただけます」
木の家だからこそ気を付けたいこと
「木は生きているから湿気を吸うと膨らむし、乾燥時期は縮む。そのため、例えば無垢の床を貼る際には、板と板の間を1/10mmの間隔をあけて貼らなければなりません。口で言うことは簡単ですが、実作業は神経を使います。しかし、施工は経験のある大工さんにお願いしているため安心です。それから無垢は傷がつきやすいので、お客様にはそれを特徴と捉えていただく必要があると思います。よく“傷がつきにくいです”と謳っている他社の木の製品もありますが、うちは真逆の考え方でやっています。万が一硬い物を落としてへこんでしまったら、すぐに水を含ませて膨張させて目立たなくするとか…そんな対処方法もお伝えしていますよ」
今は施工エリアにこだわりはなく、声がかかれば可能な限り対応しているが、今後は拠点を増やしていきたいという考えだ。「片道1時間くらいかかるエリアだと、アフターケアですぐにお邪魔することが難しい場合もあるんです。これから先は、遠いエリアの方にもご不便がないよう、営業拠点を増やせればと考えています。そうすると、こういう雰囲気の家が好きだという方に満足いただけるおうちを、アフターケアの心配もなくご提案できます。でもまずは一つずつできることから。スタッフの育成も含めてがんばっていきたいですね」
グリーホームのこだわりの木の家。流行り廃りに左右されるのではなく、“本当にこの雰囲気が好きだ”というお客様に対して誠実に向き合う姿が印象的だった。「自分の足跡が地図に残る仕事をする」と決意した高校時代から抱き続けてきたまっすぐな想いと、積み重ねてきた技術や経験はいま、お客様の幸せな暮らしを創り、ご紹介というご縁で人の輪を広げている。
「振り返ってみると確かに地図には残りますが、それよりも大切なことは、そこには100通りのお客様の人生、暮らし、ライフスタイルがあるということ。いまではお客様の歩む道に、自分の足跡を残せることに幸せを感じています」
高校時代には気がつかなかったご縁が育む仕事への想いを胸に、グリーホームは今後もお客様一人ひとりの理想を実現していくであろう。